ステップメールは、効果的なメールマーケティングの1つです。今回は、ステップメールとは?という基礎から、導入のメリット、活用方法などを初心者にも分かりやすくご紹介します。
ステップメールとは?
ステップメールとは、あらかじめ用意した複数のメールを、1通目から順番に自動配信する仕組みで、メールマーケティングの1種です。 お客さまが資料請求や商品購入した日を起算日として、事前に設定したスケジュールに沿って、自動的にメール配信をスタートできます
段階的に情報をお届けすることで、信頼関係を築きながら見込み客を育てて無理のないセールスでお客さまにしたり、お客さまをしっかりとフォローすることで満足度や信頼をさらに高めてリピーターにする、こんなことが「自動で」できてしまう優れもの。ビジネスの重要な部分を自動化できる、今や無くてはならないツールです。
メルマガとの違いは?
上述のようにステップメールは1通目から送られるのが特徴なので、読者獲得のために用意した特典を登録お礼メールと共に送ることやメール講座のように段階的に読者を教育するようなものに向いており、一から信頼関係を築くことができます。
一方、メルマガは、登録した後に発行される最新号のメールから送ることができます。メールを作って、すぐに送れるので登録者全員にタイムリーな情報が一斉に配信できる特徴があります。
例えば、メルマガはその時々で配信するものなので、極端な話、昨日登録した人もいれば、登録して5年経っている人もいます。
つまり、あなたとの共通認識がすでにある人もいれば、ない人もいるということです。レベルが様々なので、全員に同じ文章を送るメルマガでは一部の人が内容を理解できないことも起こり得ます。
なので、初めましての読者には、まずはステップメールを使って、あなたのキャラクターや価値観などを知ってもらい、共通認識を増やしていく。一定の共通認識が持てた段階でメルマガ読者に合流する。そんなイメージを持つとそれぞれの役割が理解しやすいと思います。
ステップメールのメリット
【1】セールスの自動化
一番のメリットはなんと言ってもセールスの自動化。ステップメールは、あなたの代わりに24時間働いてくれる営業マンとも言われています。登録があったら、事前にセットしたメールが順番に送られるので、例えば、寝ていようが遊んでいようが、そのタイミングがきたら登録してくれた人に自動的にメールが送られます。
販売する商品にもよりますが、精度の高いステップメールがあれば、アドレス登録からの流れで商品を購入してもらうことも可能です。例えば1万円の商品が成約率5%で売れると仮定すると、100人の登録で5万円の売上。メールの精度をさらに高めて、成約率が10%になれば、売上は10万円になります。
オンラインコンテンツであれば、商品の発送等もないので、メール内にコンテンツを入れておくだけで、ほぼ全自動でこの売上が発生することになります。
この計算ができると、1アドレスいくらで獲得すれば赤字にならないかが見えてきます。上記の例で言えば、100人のリストを集めれば、ステップメールだけで10万円の売上が見込めるので、少なくとも一人あたり1,000円の広告費で、読者を獲得できれば、赤字にはならないということです。ただ、実際はLTV(顧客から生涯にわたって得られる利益)で計算することが多いので、一回のステップメールだけで広告費を回収することは難しいこともあります。この辺りはどのようなビジネスモデルを採用しているかにもよりますが、多くの場合、メルマガを併用して使うことで、複数回あなたの商品を買ってもらって利益を出していくことになります。
【2】価値観の共有
先ほど、ステップメールは「24時間働く営業マン」と例えましたが、何も売り込みばかりに使うわけではありません。
ステップメールの魅力は、メールを順番に送ることで、あなたの価値観を読者と共有することにあります。もし価値観に共感してもらうことができれば、ステップメールを通じてあなたのファンになってもらうことができます。ファンを増やしていくことで、結果として売上を伸ばすことが期待できます。
読者としても、あなたの信念や考え方 、大切にしている想い、商品のこだわりや効果、をじっくりと読むことができます。そこで共感が得られなければメールが解除されるだけですし、あなた自身も合わない人に無理に合わせる必要がなくなります。つまり、ステップメールには、お互いのアンマッチを防ぐメリットもあります。
【3】オファーとして利用できる
ステップメールは時に、メールアドレス獲得のためのオファーとしても使えます。
例えば、
・〇〇のための7日間メール講座
など、ステップメール自体がメールアドレス獲得のための役割を果たせます。
多くの読者を獲得するためには、ステップメールのコンテンツを有料級の内容にする必要があったり、そのコンテンツを魅力的に見せるためのランティングページ(メールアドレスを登録したもらうためのページ)、また広告や紹介等を使いランディングページを適切な場所に露出するための工夫も必要です。
作成の難易度は少し高いですが、そのコンテンツに対して興味がある読者が集まる分、商品購入率は高くなることが期待できます。
【4】ステップごとに分析・改善が可能
ステップメールは定期的にメンテナンスをすると効果的です。開封率やURLのクリック率、またはコンバージョン率などが計測できるので、その結果を受けて、仮説を立てながらテストしていくことができます。テストを繰り返していくことで、より精度の高いステップメールに改善できます。
ステップメールのデメリット
【1】作るのに時間がかかる
ステップメールは、複数通送ることがほとんどなので、シナリオ(全体像)の設計が必要となります。メルマガは基本的に単発で送るものなので、その都度書きたいことを書けばいいですが、ステップメールの場合は全体の流れがあるので、一般的にメルマガよりも作るのが難しく時間がかかります。
また、一度書いたら終わりではなく、定期的にメンテナンスする作業等も必要になります。
【2】タイムリーな情報に向かない
メルマガと比べてタイムリーな情報には向きません。季節性・時世のある内容を書くことはなるべく避けた方がいいでしょう。例えば、東京オリンピックの話題をステップメールに入れていたとしたら、1年後、2年後に登録した読者は、違和感を感じるはずです。ステップメールにはなるべく不変的な内容の(いつ読んでも違和感を感じない)文章を書くことをオススメします。
【3】ステップが終了したら、読者との関係が途絶える可能性がある
ステップメールは、基本的には終わりがあるものです。(例えば、全7通のステップメールなど)
つまり、全部のステップが終了したら、こちらから何かアクションを起こさなければ、相手に対してメールを送ることができなくなります。
そもそも、ステップメールを含むメールマーケティングの一番の目的は、「読者との信頼関係を構築すること」です。信頼関係ができるからこそ、セールスが上手くいくのであって、目的とするのはやはり関係構築なんです。であるならば、一番やっちゃいけないのは、メールを送らないで関係が途絶えてしまうこと。
これを回避するには、ステップメールが終了したら、自動でメルマガの読者に含めるなどの仕組み作りが必要です。
ステップメールの活用方法
ステップメールはいろいろな使い方がありますが、大きく分類するとフォローメールとセールスメールの2つがあります。
【1】顧客へのフォロー
新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストの5倍と言われています。とすれば、既存顧客の維持・そしてリピーターになってもらうことはとても重要な業務です。
例えば、
・サンプル商品を注文した方へのフォロー
・商品を購入した方へのフォロー
・資料請求をした方へのフォロー
・無料カウンセリングやコンサルを受けられた方へのフォロー
・体験会に参加された方へのフォロー
・ご来店された方へのフォロー
などがあります。何かしらのアクションを起こしてくれた顧客や見込み客をフォローするためのメールなので、より簡単で取り組みやすいのはこのフォローメールです。「今困っていることはないだろうか?」 「このタイミングでこんなメールが来たら嬉しいだろうな」と、お客様の気持ちに寄り添うメールなので、 難しいテクニックやライティングスキルもほとんど必要ありません。
例えば、
「商品は届きましたか?」「困っていることはありませんか?」「何かあったら連絡くださいね」「他の方はこんな風に使っています」「こんな使い方もありますよ」「よくある質問をご紹介しますね」
などでも、フォローのメールになります。
「大事なのは分かっているけど、忙しくてなかなか取り組めない」といった方も多いですが、フォローメールを活用すれば、売上だけでなく、信頼度までアップして良いことだらけです。
▼ユーザー様からのコメント(抜粋)
2通3通・・と(フォローメールを)繰り返すことによって、
自然にお客様から返事が返ってくるようになりました。
その返事の内容から、商品の感想やお客様の様子がわかり、
個人個人に合った返事がとても書きやすくなりました。
そうすると お客様との距離が、グーンと近くなります!
お客様からも「メールで定期的に連絡をいただけて、ありがたい・わかりやすい」と好評です。
一人で大人数のお客様の管理ができますので売上げだけでなく、信頼度もupしたようです。
メールを自動配信できますのでどんなにお客様が増えても、うっかりフォローを忘れてしまった・・ということがありません。
そこに神経を使わない分、返ってきたお客様からの返事に時間をかけて対応できるようになりましたね。メールを自動的に配信・・というとなんだか事務的で冷たいイメージもありましたが、
逆にお客様からの返信も増え、コミュニケーションが取りやすくなりました。
【2】見込み客へのセールス
このページでも何度か書いているようにステップメールは見込み客へのセールスとして活用できます。ウェルカムシーケンスなんて呼ばれたりもしますが、登録してくれた人を迎え入れ、教育(価値観を共有)し、そのまま商品のセールスに繋げることができます。
初めて来た人にいきなり高額商品を買ってもらうことは難しいので、ウェルカムシーケンスで販売する商品はお試し商品(低価格帯)がオススメです。
とは言っても、ステップメールで毎回売り込みのメールが来たら誰だって嫌なものです。
「優れたマーケティングはセールスを不要にする(ピーター・F・ドラッカー)」
この言葉にもあるように、マーケティング活動(ここでは、セールスに至るまでのステップメール)は、見込み客との信頼関係づくりを優先すべきです。まずは、しっかりと有益な情報、コンテンツを提供し、あなたの商品の価値を読者に受け入れてもらうことを意識してみてください。読者が「その商品が欲しい」という状態になれば、セールスも簡単になるはずです。