中小企業のマーケティングご担当者様、そしてメール配信システムの管理をされている皆さん、こんにちは!
前々回の記事では、あなたの「大切なメール」がお客さまに届かない理由、そして前回はGoogleがあなたのメールをどう評価しているか、その「評判」のチェック方法についてお話ししましたね。
今回は、その「評判」をさらに高め、あなたのメールが「本物」であることを証明するための、とっても重要な対策についてお話しします。それは、ズバリ「なりすまし対策」です!

なりすましですか…?なんか怖い響きですね。
芸能人のなりすましとか、ニュースでよく聞きますけど、メールでもそんなことってあるんですか?
はい。残念ながら、メールの世界でも「なりすまし」は横行しているんです。
そして、これがあなたのメールが届かない大きな原因になっているかもしれません。
なぜ?「なりすまし」メールがあなたの会社を困らせるワケ

「なりすましメール」とは、悪意のある人が、あなたやあなたの会社、または有名企業になりすまして、偽のメールを送ってくることです。
例えば、
・あなたの会社名やロゴを勝手に使って、お客さまに詐欺メールを送る
・大手通販サイトや銀行を装い、お客さまの個人情報を盗もうとする「フィッシング詐欺」
こうした悪質な「なりすましメール」が増えることで、受信ボックス(GmailやYahoo!メールなど)は、「どこの誰から送られたメールなのか」を、これまで以上に厳しくチェックするようになりました。
もし、あなたの会社のドメインが「なりすまし」に使われてしまったら、どうなると思いますか?

えっ…!お客さまが騙されちゃうかもしれないし、うちの会社の信用も下がっちゃいますよね!?
その通りです。そして、それだけでなく、あなたのドメインが「迷惑メールを送っているかもしれない」と疑われてしまい、あなたが正規に送っているはずの大切なメールまで、お客さまに届きにくくなってしまうという困った事態に陥ってしまうんです。
これでは、せっかくのメールマーケティングも水の泡になってしまいますよね。
メールには「身分証明書」がある!信頼性を証明する3つの技術

そんな「なりすまし」からあなたのメールを守り、「このメールは間違いなく本物です!」と証明するための「身分証明書」のような技術があります。それが、主に以下の3つです。
SPF(エスピーエフ)
メールを送るサーバーが「正規の送り主」かどうかを確認する証明書。
これは、あなたの会社の住所録に「この住所(IPアドレス)からしかメールは送りませんよ」と書き込んでおくイメージです。
受信ボックスは、その住所録を照らし合わせて、本当にそこから送られているかを確認します。
DKIM(ディーキム)
メールの内容が途中で改ざんされていないかを確認する「デジタル署名」。
これは、メールに「これは私が書いた手紙です。途中で書き換えられていません」というサイン(署名)を付けるイメージです。
サインがなければ、受信ボックスは信用しません。
DMARC(ディーマーク)
SPFとDKIMの結果を元に、迷惑メールをどう扱うかを指示するルール。
これは、SPFとDKIMのチェック結果がNGだった場合、「このメールは迷惑メールフォルダに入れてね」「受け取らないでね」といった、受信ボックスへのお願い(ポリシー)を設定するものです。
さらにBIMI(ビミ)やARC(アーク)といった、より高度な認証技術も登場しています。
特にBIMIは、メールの横にあなたの会社のロゴを表示できるようになるため、お客さまからの信頼度がさらに向上し、開封率アップにもつながると期待されています。

わぁ、まるでパスポートみたいですね!これがあれば、私たちのメールがどこから来たのか、誰が送ったのか、ちゃんと証明できるってことですね!
その通り!これらの技術を導入することで、あなたのメールは「身元がはっきりしている」と判断され、受信ボックスに届きやすくなるだけでなく、お客さまからの信頼度もグッと上がります。
専門知識がなくても大丈夫!「なりすまし対策」の進め方
「SPFやDKIM、DMARC…なんだか難しそう…」そう感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、これらの設定には専門的な知識が必要となる場合があります。
でも、ご安心ください。あなたが全ての作業を一人でこなす必要はありません。
外注するのもおすすめです
もし社内に詳しい方がいなくても、プリモポスト社のようなメールマーケティングの専門業者やサーバー設定を専門に行っている外部の業者さん(ウェブ制作会社など)に依頼することをおすすめします。
プロに任せることで、正確かつ安全に設定が完了し、誤った設定をすることで、かえってメールが届かなくなるなどの問題が発生するリスクをなくせるからです。
専門家は、あなたの会社のメール環境に合わせた最適な設定を提案し、導入後もサポートしてくれるはずです。
結果として、「メールが届かない」というゴールが見えづらい悩みが解消され、お客さまとのコミュニケーションがよりスムーズになることを考えれば、これは決して高い投資ではありません。
あなたのメールの信頼性を高め、お客さまに確実に届けるためにも、ぜひ「なりすまし対策」に力を入れてみてください。
次回は、メールマーケティングの成功を測るための具体的な「目標値」(KPI)について、最新の基準をお話ししていきます。お楽しみに!